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はじめに|ito therapy【タロットで自己対話】タロットカード解説
「タロットカードの意味をもっとわかりやすく知りたい」「暗記ではなく、感覚的にカードを読めるようになりたい」──そんな方のために、このシリーズでは「ito therapy」の視点からタロットカードを一枚ずつ解説していきます。
「ito therapy」では、イメージの世界を大切にしています。
カードの意味を丸暗記しようとせず、描かれたシンボルや世界観を自分なりのイメージで感じ取ってみてください。
難しく考えなくても大丈夫。
タロットは、あなたの心の内側と自然に響き合いながらメッセージを届けてくれるツールです。
ぜひ、セルフリーディングの時間にお役立てください。
📒ito therapyについてはこちらを参照:ito therapy session公式ホームページ
これまでの〈大アルカナ〉カード解説記事『目次』はこちらから🔜📖
いよいよ物語は『宇宙規模』へ
〈10:運命の輪〉で人生の流れに大きな転換が訪れ、
〈11:正義〉では、その転機をどう捉え、どう選び取っていくかが問われました。
そしてここから先、タロットの旅路は、いよいよ“個”の意識を超え、より深い魂の学びへと入っていきます。
この記事でご紹介する〈12:吊された男〉から、〈15:悪魔〉にかけては、
目には見えない領域──精神性、潜在意識、集合無意識とのつながりを学ぶ時間です。
自らを差し出して得る気づき、喪失の中にある再生の兆し、バランスを保とうとする自己の姿、
そして、「人間」の本能との対峙。
どれも表面的には捉えづらいテーマばかりですが、だからこそ、イメージを通じて「感じる」ことがとても大切です。
今回は〈12:吊された男〉です。
世界を逆さまに眺めたとき、見えてくる真実とは何でしょうか。
12:吊された男|その先の光を見据える人
まずはこのカードをじっくり眺めてみましょう。
このカードからどんな印象を受けますか。
このカードを見て、自分がどんな感情を抱くか、”今”の自分の感情にフォーカスしてみましょう。
今、あなたの心の中にはどんな感情がありますか。
12:吊された男|絵柄からイメージを広げてみましょう
〈12:吊された男〉の世界を感じてみよう
さて、それでは一緒に〈吊された男〉の世界を感じていくことにしましょう。
この男はなぜ「吊されて」いるのでしょうか。
何のために「吊されて」いるのでしょうか。
この男は、今、どんな感情を抱いているのでしょうか。
この男の目的は何だと思いますか。
この男はここで何をしているのでしょうか。
男はいつまでこうしているのでしょうか。
この男が目指すものは何でしょうか。
男の表情から、何を読み取れそうですか。
男が何を考え、何を感じ、何を訴えようとしているのか、想像してみましょう。
あなたはこの〈吊された男〉の姿から、どんな感情を持ちましたか。
〈12:吊された男〉の世界を探求してみよう
では次に、このカードの絵柄に迫っていくことにしましょう。
背景の色
〈12:吊された男〉の背景は「灰色」で描かれています。
背景の「灰色」は、「物事の途中」「プロセスの過程」を表す色です。
ここで「灰色」が「物事の途中」であると伝えているのは、この〈吊された男〉です。
つまり男は、今「何かの途中の段階」にあるということです。
衣装の色
次に、男の衣服に注目してみましょう。
衣服の色は、その服を身につけている本人の感情を表します。
この男が身につけているのは「青」の上着と「赤」のタイツ、そして「黄」の靴です。
まずは上着の色。
男の上着は「青」で描かれています。
「青」は「精神性」の色でした。
「青」は「水」を表すときに使う色ですね。
「水」は「心」を象徴する物質です。
「心」を象徴する「水」の色である「青」は、「心の内面」を表す色です。
続いて、タイツの色。
タイツは「赤」で描かれています。
「赤」は「積極性」「能動的」「激しい情熱」などを表します。
つまりこの男は何かに対して「情熱」を燃やしているのです。
では、男は何に対して「情熱」を燃やしているのでしょうか。
最後に靴の色。
靴は「黄」です。
「黄」は「祝福」の色ですね。
「物事の好転」や「満足感」を表す色です。
男は何に対して「希望」を抱き、「満足感」を感じているのでしょうか。
なぜ吊されているのか
「赤」いタイツが表すように、
この男は誰かに吊されているのではなく、「自ら」「積極的に」吊り下がっているのです。
自分から進んで、このような不自由な格好をしているということです。
では、なぜ男は自らこのような「試練」を作り上げ、それに挑んでいるのでしょうか。
男の表情から読み取れること
さて、次はこの男の表情にフォーカスしてみましょう。
この表情から、どんな感情が読み取れますか。
どうやら、辛い、苦しい、限界、といった様子は見受けられません。
それどころか、このような状況に置かれている自分をどこか誇らしく感じているようではないですか。
そして、なんだか満足げにも見えないでしょうか。
さらに、この逆さ吊りの状況を受け入れ、これが当然のスタイルであるかのようにも見えます。
ではなぜ、男はこの状況を当たり前のように受け入れることができているのでしょうか。
男の衣服から読み取れること
このように身動きがとれない不自由な状況を、積極的に受け入れることができるのはなぜか。
それは、男の上着の色が表すように、この人物に「高い精神性」があるからです。
そして、タイツの色が表すように、この状況に対する男の感情は「能動的」です。
また、男の頭の後ろには光が輝いています。
これは「後光」です。
「後光」は悟りの象徴です。
ここからも、この男の精神がとても高いレベルに達していることが分かります。
吊り下がることによって見えるもの
自ら積極的に不自由な体勢をとり、逆さ吊りの「試練」に挑むこの男の目的は何でしょうか。
逆さまになることにどのような意味があるのでしょうか。
普段は地上に立って見ている世界。
自分が体勢を上下逆にすることで、世界も逆さまになります。
逆さまになった世界を見る。
つまり、「視点」が変わります。
「視点が変わる」ということは、物の見方が変わるということ。
「視点を変え」、「物の見方が変わる」と起こる事は何でしょうか。
これまでの見方が変わることで得られるものとは何か。
それは、「新しい価値観」です。
悟りの象徴である「後光」が語るように、この男は既に高い精神性をもった人物です。
「一般的な方法」では、これ以上の「気づき」に出会えないのでしょう。
だから男は、わざわざ自ら逆さまになり、「この状況で学べることを積極的に吸収している」のです。
そして、「灰色」の背景が示すように、そんな男の「学び」はまだ途中の段階です。
男は静かにこの現状を受け入れながら、これから先の未来に希望を抱いているのです。
12:吊された男|カードナンバー「12」が象徴することとは
「12」という数字について
「12」という数字は、どんな数字でしょうか。
「12」という数字からどんなことを連想しますか。
・1日は12時間×2
・1年は12ヶ月
・12星座
・十二支
といった言葉があるように、「12」は「ひとつの流れが完結し、完全である」ことを表す数字です。
このことから、「12」を担う〈12:吊された男〉は、
「ある物事の完結した状態」という概念をもつことが分かります。
タロットカード「大アルカナ」における「12」の立ち位置
大アルカナは「魂の成長物語」です。
ここまで私たちは「魂の成長」の物語を見てきました。
〈12:吊された男〉では、何を学ぶのでしょうか。
この男は、吊されています。
「逆」になっていますね。
「12」という数字は、「21」の逆。
「21」のカードといえば、大アルカナの物語の最後(次のレベルの始まり)のカードです。
こちらのカードについては、後ほど詳しく見ていくとして、
今はこのカードの中央に描かれている人物に注目してください。
〈12:吊された男〉と比べて、何か気づく点はありませんか。
両者の足の形を見てください。
どちらも片足を曲げていますね。
これら2枚のカードは「逆」どうし。
らせん状に上昇していく大アルカナの世界において、「21」のカードは、「ひとつの周期の終わり」かつ「新しい始まり」という位置にあります。
先ほどお伝えしたように、「12」という数字は「ひとつの流れが完結した」数字です。
12ヶ月という一年が終わっても、また新たな12ヶ月が始まるように、
〈12:吊された男〉は、「何かが完結し、何かが始まる」ことを予感する、そんな雰囲気のカードといえます。
では、〈12:吊された男〉は何の終わりと始まりを予感しているのでしょうか。
「12」を担う〈吊された男〉の真意とは
悟りの「後光」や青い衣服から、この男は高い精神レベルに達しているとお伝えしました。
そして、「12」という数字が表すように、この男はすでに「完結」しており、「完全」だと分かります。
既にとても高い精神レベルに達しているにも関わらず、男は「まだ」木の枝に吊されている。
男は「まだ」、「この状況で学べることを積極的に吸収している」途中です。
「完結」かつ「完全」なのに。
それは、男が今よりもっと先の未来に希望の光を見ているから。
このことは、男が吊されているT字の木を見ると分かります。
緑色の若葉が生い茂っていますね。
つまり、この木は生きています。
緑色の葉は生命力や希望といった意味合いをもちます。
「生きている木」は、男がこれからも成長していくことができるということを表しているのです。
「12」は繰り返されていく
大アルカナの世界における「12」のその次に、「13」「14」・・と続くように、
そして、1年が繰り返し続いていくように、
「12」は「完結」であり「完全」ではあるけれど、「終了」ではありません。
だから、〈12:吊された男〉の背景は「灰色」で描かれており、ここにある情景が「物事の途中」であるということを示しているのです。
余談ですが、「灰色」の背景が表すことは、
「何事もその人の捉え方次第」といった意味合いも含まれます。
「灰色」は「白」でも「黒」でもない”グレーゾーン”。
決まった答えがない、白黒ハッキリさせない、といった雰囲気から、そう捉えることがあります。
特にこの〈12:吊された男〉のテーマは「価値観」なので、
「灰色」の背景伝える雰囲気と、人それぞれの「価値観」で物事を見れば答えはひとつに限らないということが繋がってきますね。
端から見れば、「辛い」「苦しい」ように見える行動を選択しているようで、
当事者にしてみればそれが最善であったり、その行動にこそ意味があり、価値を見出している。
そんなことがこの世の中にはたくさんあります。
他者から見ると理解できそうもない景色でも、捉え方によっては精一杯の努力の形だったりするわけです。
〈12:吊された男〉はそんな「価値観の違い」を認めるという気づきも見せてくれています。
〈吊された男〉|努力と奉仕の紙一重
高い精神性と情熱を持ちあわせているが故に、努力を続けられるこの男の精神は、
ともすれば自らを犠牲にしてでも相手や周囲の人々のため尽くしてしまうことになりかねません。
時には「行き過ぎた努力」や「間違った方向の奉仕」をしようとする方向へと傾くこともあるでしょう。
「努力」や「奉仕」の精神が男の「学び」であり「成長の糧」になることを知っているからこそ、
「当たり前のように」そういった行動に出てしまう。
けれど、それが行き過ぎてしまうと、「ただの我慢」や「むなしい努力」に終わる可能性があります。
また、自らを身動きがとれない状況に陥らせたがゆえに、さらに不自由で非現実的な方向へと進んでいくことも。
この男が自ら試練に向き合い、努力を続けることができるのは、「希望の光」があればこそです。
その「希望の光」が見えなくなるほど自分を見失ったときには、これまでの努力がすべて無駄になるでしょう。
〈12:吊された男〉は、こんなふうに「高い精神性」が故の「自己犠牲」といった雰囲気も持ちあわせています。
学び続け、自己を高める努力の過程でも、自己と他者とのバランスは必要です。
それでも、基本的に〈12:吊された男〉は、
「結果的には希望へと向かっている」という概念があるカード。
どのような選択をするにせよ、その結果の善し悪しに注目するのでなく、その選択をした自分自身に誇りを持って、
といったメッセージが備わっています。
「自己犠牲」で「自分を見失う」ことがあったとしても、そしてそれが「無駄な努力」に終わったとしても、
その結果としての「今」は、前よりも成長した自分がいる。
〈12:吊された男〉では、そんな「高い精神性」の基に成り立つ「学び」があります。
タロットカードにネガティブなものはひとつもない
タロットカードには、黒い背景や怖そうなモチーフなど、一見すると悲観したくなるような絵柄のものがあります。
ですが、実は「ただネガティブなだけ」の意味をもつカードは一枚もありません。
どのカードにも、「その先の希望」が必ず備わっています。
もちろん、あるカードを見てネガティブな印象を受けるときもあるでしょう。
タロットリーディングには、正解も不正解もありませんから、その時の印象を大事にしていきます。
タロットカードの意味は、完全に読む人の自由なので、その気持ちを否定することはありません。
ただ、ここでひとつお伝えしたいのは、
ネガティブな印象は自分の心の奥から生まれたもの
ということです。
タロットカード自体にそう感じているのでなく、それを見た自分の心の中が反応している。
だから、否定することなくその印象をそのまま受け止めるのです。
タロットカードの性質上、自由度が高いツールなだけに、ネガティブに読もうとすればいくらでも、どこまででもネガティブに読むことができます。
けれど、そうしたリーディング方法では、「得るべき気づき」に出会う可能性は低くなります。
タロットで自己対話をする意義とは、
自分一人では知り得ない、まだ自分の中に眠っている「本当の願い」や「真の想い」に気づくこと。
タロットが本領発揮できるのは、そのような姿勢で自分の心と向き合うときです。
第一印象が「怖い」「危ない」「不安」といった感情でも、それをさらに恐ろしく読んでいくのではなく、
そうした感情を認め、受け入れながらも、なぜそう感じたのか、そこから何を見出せるのか、というふうに探求してみましょう。
タロットを通じて自分の心と対話をするということは、
「本当の願い」「真の想い」を知ることで「自分」を知っていくということです。
その延長線上に、「私らしさ」が輝きます。
「自分」を知り、「私らしさ」に出会い、今よりも「自分らしく」、「ありのままの自分で輝く」
そんな人生を歩んでいく。
そんな世界を、自分自身で創っていく。
それが、タロットで自己対話を重ねた先にあるビジョンです。
より多くの人が、
自由な発想で、自由な想像力で、思う存分「自分らしい世界」を見つけに行けるように。
タロットがその役に立つツールとして、この世界に広がっていくなら、私はとてもうれしいです。
🌙タロットを本格的に学びたい方はこちらから
🌙星よみに興味がある方はこちらから
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