☪この記事はPRを含みます
はじめに|ito therapy【タロットで自己対話】タロットカード解説
「タロットカードの意味をもっとわかりやすく知りたい」
「暗記ではなく、感覚的にカードを読めるようになりたい」
──そんな方のために、このシリーズでは「ito therapy」の視点からタロットカードを一枚ずつ解説していきます。
「ito therapy」では、イメージの世界を大切にしています。
カードの意味を丸暗記しようとせず、描かれたシンボルや世界観を自分なりのイメージで感じ取ってみてください。
難しく考えなくても大丈夫。
タロットは、あなたの心の内側と自然に響き合いながらメッセージを届けてくれるツールです。
ぜひ、セルフリーディングの時間にお役立てください。
📒ito therapyについてはこちらを参照:ito therapy session公式ホームページ
これまでの〈大アルカナ〉カード解説記事『目次』はこちらから🔜📖
すべてが更地になった後、本当の「私らしさ」に出会う旅
「魂の旅」は、内なる世界を深く掘り下げる時期を経て、新たな目覚めへと向かっていきます。
〈12:吊された男〉から〈15:悪魔〉までの学びが内面での熟成だったとすれば、
ここからのフェーズは、それを一気に表面化させる『変容の発火点』とも言えるでしょう。
今回ご紹介する〈16:塔〉では、積み重ねてきた価値観や思い込みが崩れ、
否応なく目を覚まされます。
そこから〈19:太陽〉に至るまでは、混沌と希望、恐れと喜びなど、感情の波を超えた先にある「本来の自分」へと還る旅路です。
16:塔|価値観の大変革
まずはこのカードをじっくり眺めてみましょう。
第一印象で、このカードから何を感じますか。
このカードに描かれているのはどんなシーンでしょうか。
この世界では、一体何が起きているのでしょうか。
あなたがこのカードの中の住人だとしたら、この光景を見てどんな感情を持つでしょうか。
ここにはどんな空気が漂っていますか。
なぜこのようなことが起こっているのでしょうか。
この世界を肌で感じてみましょう。
どんな匂いが立ちこめていますか。
どんな音が聞こえていますか。
ここで起きている出来事は、この後どうなっていくのでしょうか。
16:塔|イメージを広げてみましょう
カード全体の世界感をじっくり体感したら、次はカードのタイトルや絵柄、数字をヒントに、
〈16:塔〉を探求していきましょう。
〈16:塔〉|タイトルからカードのイメージを広げてみよう
このカードのタイトルは「塔」です。
このカードが伝えたいことは、恐らくこの「塔」に起きている出来事でしょう。
このカードに描かれている「塔」は、「バベルの塔」だと言われています。
「バベルの塔」は、
「バベルの塔」についての一般的な解釈は、以下の通りです。
~バベルの塔の物語~
「人類が塔をつくり、神に挑戦しようとしたので、神は塔を崩した。」
「人間が天にも届くような高い塔を築き始めたのを神が見て、そのおごりを怒り、人々の言葉を混乱させ、建設を中止させた。」
「人々が自分たちの力と名を高め、天にも届くほど巨大な塔の建設を開始した様子に、
神は人々の傲慢さと、団結によって際限なく事を成そうとする力を危惧した。
そこで神は人々の話す言葉を混乱させ、互いに意思の疎通ができないようにした。」
これらのことから、「塔」とは
・人間が積み上げてきたものの象徴
・神に近づこうという人間の欲の象徴
とされています。
その「バベルの塔」と同義とされる「塔」が、今、頂上から破壊されています。
これは〈16:塔〉のメッセージにどう関係しているのでしょうか。
〈16:塔〉|絵柄からカードのイメージを広げてみよう
それでは続いて、カードの絵柄を見ていきましょう。
まずは〈塔〉にダメージを与えている矢印。
この〈塔〉のてっぺんに突き刺さっている矢印は何でしょうか。
矢印が〈塔〉の頂上にあった王冠のような屋根を吹き飛ばし、火が噴き出しています。
この矢印は、何を象徴しているのでしょうか。
次は、転落している二人の人物です。
この〈塔〉の住人でしょうか、一人は王冠をかぶっています。
彼らはどんな人物なのでしょうか。
まずは、二人が身につけている服の色から想像してみましょう。
「赤いマント」や靴、「水色の衣服」といった描写から、彼らは能動的で情熱的な行動力があり、
また崇高な精神の持ち主であることが分かります。
そんな二人が、「塔」から墜ちてきています。
この事象が伝えたいこととは、どのようなことなのでしょうか。
背景の色からイメージを広げてみよう
このカードの背景の色は「黒」です。
背景が黒いカードは、これまでにいくつかありましたね。
「黒」は「限界」や「警告」を表す色でした。
このカードの世界では、何が「限界」なのでしょうか。
そして、このカードが訴えたい「警告」とは、どのようなことなのでしょうか。
〈16:塔〉|数字からイメージを広げてみよう
「16」は「1」+「6」=「7」のエネルギーを持ちます。
また、「16」=「8」+「8」で、ふたつの「8」のエネルギーも持ち合わせています。
まず、「7」はひとつの周期、サイクルを表す数字です。
〈16:塔〉で、「魂」は”新たなサイクル”を与えられたのです。
そして、「8」は現実と霊的な世界のバランスをとる数字です。
この「8」のエネルギーがふたつ入っている〈16:塔〉では、人知を超えたエネルギーが現実に乱入してきたようなイメージです。
このように数字から見る〈16:塔〉の世界は、
人外の力が降りかかってきたことにより新たなステージへ向かう
そんな雰囲気が感じられます。
〈16:塔〉の意図
ここからは、〈16:塔〉のメッセージを探求していくことにしましょう。
このカードは「魂」にどんな学びを与えるのでしょうか。
落下する二人の人物の未来とは
ある日突然、天から「予想外の」災難が降ってきた。
これが、このカードの世界で起きている出来事の始まりです。
この〈塔〉は「バベルの塔」といわれているので、この災難は〈塔〉を造った人々に対する「神」の怒りと想像できます。
そして、「神」によってもたらされた災害が原因で、火事になった〈塔〉から逃げ出すように、二人の住人たちが転落しています。
二人はこの後、どんな状況になるのでしょうか。
「神」の怒りの原因とは
この〈塔〉には窓が3つありますね。
「3」は三位一体、「神」の数字です。
このことから、〈塔〉は「神」を模して造られたということが分かります。
つまり、「人」が「神」を造ったということになります。
「バベルの塔」の物語にあるように、この転落している二人はこの〈塔〉を造り住まうことで、
積極的に「神」に近づこうとしていました。
ところが、この〈塔〉は二人の人物が「名誉」や「名声」という「欲望」を積み上げた結果です。
さらに、この二人の「神に近づく」という行為の象徴ともいえます。
そんな「誤った価値観」に怒った神が、その価値観の象徴である〈塔〉を、今まさに壊しているという場面が〈16:塔〉の世界なのです。
価値観の崩壊という学び
これまで信じてきた価値観は、たとえそれが間違っているとしても、本人が気づくことはかなり難しいものです。
人の価値観というのは、ひとそれぞれ。
それが間違っていると言われても、なかなか受け入れることはできないでしょう。
誰かが、それ間違ってるよ、と伝えたところで、ああそうか、とすぐに変わるようなものではありません。
ここで、〈16:塔〉が伝える「価値観の崩壊」について触れていきましょう。
このカードは「大アルカナ」です。
「大アルカナ」は「人生レベルの学び」を伝えてきます。
つまり〈16:塔〉が伝える「価値観の崩壊」とは、「人生を180度変える」くらいの威力があります。
さらに、〈16:塔〉で伝えてくる「価値観の崩壊」は、「人生において必要不可欠」だからこそ、起こる変化です。
そこまで重要な「改革」「革命」とも捉えられる「浄化」は、もはや誰かや何かによってではなく、「神様的な存在」からもたらされるもの。
そうでなければ、この人生をかけた重要な「価値観の崩壊」は達成できないのです。
〈16:塔〉が伝える「価値観の崩壊」は、思わぬ方向から、人知を超えた存在から、突如としてもたらされます。
ただし、「突如」というのは、当人がそう感じるだけ。
実際には、「予想外」でも「想定外」でもないのです。
「バベルの塔」で、
“神に近づこうと天まで届く塔を建てた人間は、その傲慢さから神の怒りを買った”
とありますが、この物語の外側から見れば「人間は傲慢」だという価値観になり、
一方この物語の内側では、人間たちは「神に近づきたい」という欲を実現したという価値観になります。
人の価値観は人それぞれです。
本人にとって「価値観が180度変わるほどの大きな出来事」は、本人にとってのみ、「想定外」に感じる事ということです。
そして、その崩壊するべくして崩壊した価値観は、「すでに臨界点に達していた」「これからの人生には不要な」価値観です。
だからこそ、まるで生まれ変わるような衝撃であり、かつ受け入れ難い現実となります。
「価値観」崩壊後の世界
これまでの人生で積み上げてきたもの――信じてきたこと、築いてきた関係性が、すべて崩壊しまっさらになった状態が、〈16:塔〉に描かれたシーンから先の世界です。
予期せぬ出来事が起こり、物事は完全に崩壊し、人生における大変革を迎えた後は、何が起こるのでしょうか。
そもそも、この「大革命」は人生にとって必要だから起きたこと。
この破壊は、新たな創造に必要だったのです。
あまりにも大々的な変化なため、一時的にダメージを負うことになるかもしれません。
しかし、事態は必ず新たな展開を迎えることになっています。
〈16:塔〉からの「警告」とは
このカードは大アルカナの16枚目のカードです。
大アルカナの世界は「魂の学びの物語」でしたね。
「1」から順番にこの大アルカナの世界を旅してきた「魂」は、これまで様々なことを学んできました。
ひとつ前の〈15:悪魔〉では、人間である自分という存在と正面から向き合う学びがありました。
・「人」の「欲望」や「本能」に対しての理解
・「人」なら誰もがもっている「欲望」や「本能」をうまくコントロールすることの大切さ
・「自分らしさ」を見失う危うさへの警告
など、「人」とはどういうものか、ということを学んだのです。
そんな〈15:悪魔〉の次にくる〈16:塔〉では、
強制的な浄化によってすべてリセットされる
ということを学びます。
では、なぜこのようなことが起こるのでしょうか。
〈16:塔〉が「警告」していることが、まさにこのカードに描かれている出来事なのです。
つまり、〈塔〉から転落している二人のように、「神に近づく」という欲望に心を支配されてしまうと、やがて限界を迎えて崩壊するということです。
このままでは良くないことが起こるという警告。
このままでは本来の歩むべき人生から外れてしまうという警告。
そして、ここから良くなるための破壊。
これは、結果的に本来の「私らしい」生き方への軌道修正でもあり、
「魂」が学びたがっている「真の願い」への道へ導く起爆剤ともいえます。
「崩壊」の向こう側に広がる世界をイメージしてみよう
価値観を変えてまで軌道修正しなければならないことが起こるのはなぜでしょうか。
それは、「魂」が求める「真の願い」への道を進むためです。
今のままでは、その道へ進めないから、破壊や崩壊が必要なのです。
価値観の崩壊は一瞬の閃きから
ここに描かれている矢印は、「閃き」や「インスピレーション」を表しています。
この稲妻の色が黄色であることから、
これは「不幸な天災」ではなく、「祝福」の意味が込められています。
「価値観の崩壊」という浄化を招いたこの稲妻は、新たな創造のきっかけになる「気づき」や「閃き」。
それを、神に祝福されているということです。
つまり、この〈16:塔〉で起きている出来事は、実は
☆とても良い災害
☆讃えられるべき破壊
☆明るい未来へ続く崩壊
であり、
その後に生まれる新しいステージの始まりを暗示しているのです。
そして、その新しいステージは、前よりもずっと「魂の使命」への道に沿った位置にあるでしょう。
「魂」の学びとは、「私らしさ」を思い出すこと
「魂」は常に「成長」したがっている
「魂」とは、「私らしさ」そのものです。
その「魂」が学ぶことは、「私らしく輝く世界を生きる方法」です。
なぜ「魂」はわざわざ「私らしい輝き方」を学ぶのでしょうか。
それは、「魂」が「私らしさ」をうっかり忘れてしまっているからです。
忘れてしまっているけれど、「魂」は自身の「使命」を果たしたくて仕方がない。
その「使命」を果たすためには、相応の学びが必要です。
そして「魂の使命を果たすこと」=「私らしく輝く世界を生きること」なのです。
大アルカナの世界は「魂の成長物語」。
言い換えれば、「私らしさ」を探求していく世界です。
ひとつひとつのステージで、そのカードが担う世界を正しく理解し、そのメッセージを真摯に受け止め、学びに昇華していくこと。
その学びから目を背けたり、逃げていては、「魂の使命」を果たすことができません。
私たちが思っている以上に、「魂」は成長することに貪欲です。
だからこそ、より大きな試練を乗り越えるべく、それを現実に打ち出してくるのです。
タロットリーディングと「私らしさ」
どのカードも、各々の世界があります。
もちろん、訴えたいメッセージはすべて違います。
そして、同じカードでも、時と場合によっては伝えてくるメッセージが変わってきます。
だからこそ、カードの意味を丸暗記するのでなく、「世界観で体感しておく」ことが大事です。
これは、カードを読むその人自身の「私らしさ」に対する向き合い方にも繋がります。
なぜなら、タロットと真摯に向き合うことは、自分自身の心と誠実に向き合うことだから。
タロットと誠実に向き合うことができれば、タロットの声を真に捉え、聴くことができるようになります。
そしてその心持ちが、「自分の真の想い」を聴く心を育てることにも繋がっていくのです。
おわりに|
いかがでしたか。
〈16:塔〉の世界観を深めることができたでしょうか。
この記事はあくまでも「ito therapy session」の視点から解説したものです。
次はぜひ、ご自身なりの〈16:塔〉の世界を探求してみてください。
🌙タロットを本格的に学びたい方はこちらから
🌙星よみに興味がある方はこちらから
コメント