【タロットで自己対話】「大アルカナ」完全解説|〈9:隠者〉悟りの境地に到達した者

【タロットで自己対話】タロットカード解説〈大アルカナ編〉

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はじめに|ito therapy【タロットで自己対話】タロットカード解説

「タロットカードの意味をもっとわかりやすく知りたい」「暗記ではなく、感覚的にカードを読めるようになりたい」──そんな方のために、このシリーズでは「ito therapy」の視点からタロットカードを一枚ずつ解説していきます。
「ito therapy」では、イメージの世界を大切にしています。
カードの意味を丸暗記しようとせず、描かれたシンボルや世界観を自分なりのイメージで感じ取ってみてください。
難しく考えなくても大丈夫。
タロットは、あなたの心の内側と自然に響き合いながらメッセージを届けてくれるツールです。
ぜひ、セルフリーディングの時間にお役立てください。


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9:隠者|心の内に真実を探求する人

こちらは〈9:隠者〉のカードです。

まずはこの絵柄をじっくり眺めてみましょう。

どんな印象を受けますか。

あなたが最初に気になった部分はどこでしょうか。


9:隠者|イメージを広げてみましょう

あなたはこのカードからどんな印象を受けましたか。

今、あなたの胸の内にどんな感情がありますか。


〈9:隠者〉の世界を読み解いてみよう

さて、それでは一緒に〈隠者〉の世界を感じていくことにしましょう。

「隠者」|絵柄からイメージを広げてみよう

タロットカードには一枚一枚、意味が込められています。
その絵柄やモチーフは、それぞれのカードが持つ世界観やメッセージを「象徴」として伝えてくれています。

けれど、実際にリーディングを行うときにまず大切なのは、「第一印象」です。

並べられたカードを細かく一枚ずつ読む前に、まずは全体を眺めてみます。

ito therapy sessionにおけるタロットリーディングでは、その場に偶然そろったカードたちが、どんな物語を描いているのか、その世界全体を大事にします。

そこに出ているカード全体が醸し出す空気感や流れ、そこから感じとれる「全体像」にこそ、気づきのヒントが隠されています。

カードに描かれたモチーフや意味は、あくまでその世界観を深めるための「道しるべ」。
先に意味を覚えてから読もうとするのではなく、自分がそのカードから何を感じ取ったか、イメージを広げることが大切です。

この【タロットで自己対話】シリーズでは、大アルカナのカードを一枚ずつ取り上げ、カードの世界を丁寧に見つめていきます。

全体から感じてみよう

まずはこの絵柄をじっくり眺めてみましょう。

細かい部分をひとつずつ見つめるというよりは、全体的に捉えてみましょう。

パっと見て、このカードからどんな印象を受けますか。

気になる箇所は?

次に、最初に気になった部分を見てみましょう。

一番心に留まる部分はどこでしょうか。

その部分から、どのような感情が生まれますか。

気になる色は?

次は色です。

このカードの中で、何色が気になりますか。

その「色」からどんなことを感じますか、

その「色」にどんなイメージがありますか。

次はストーリー。

ここはどこでしょうか。

そこにいる人物は何をしているのでしょうか。

この絵から、どんな雰囲気を感じますか。

たとえばあなたがこのカードの世界に入り込んだとしたら。

〈隠者〉がいるこの世界で、あなたはどんな感情をもつでしょうか。

「隠者」|タイトルからイメージを広げてみよう

このカードには『隠者』というタイトルがついています。

〈隠者〉とは、どのような人物なのでしょうか。

「隠者」を調べてみると、このような結果が出てきます。

俗世間からのがれて、修行や思索にふけっている人。よすてびと。

また、

隠者とは、社会的地位や金銭を求めず、人間関係の煩わしさを避けて、山などの人里離れた場所で自給自足の生活を送る人を指す。

とあります。

「隠者」という存在は、「社会」という枠から外れ、たった一人で生きている人、という雰囲気でしょうか。

このような世界観の〈9:隠者〉において、「魂」はどのような学びがあるのでしょうか。

絵柄を読み解いてみよう

さてここで、もう一度このカード全体を見渡してみましょう。

背景の色が示すこととは

〈9:隠者〉のカードの背景は〈灰色みの水色〉で描かれています。

水色というと、思い出すカードはなんですか。

これまで学んできた大アルカナで、水色と言えばどのカードだったでしょうか。

水色が印象的な大アルカナは、〈2:女教皇〉でしたね。

水色は「精神世界」の色でしたね。

このカードにおいて、水色は〈隠者〉の高い精神性を表現しています。

また、水色は人の内面性や潜在意識も表します。

さらに、静寂、冷静、知恵といった意味合いもあります。

この水色の背景から、〈隠者〉が高い精神性をもち、知恵のある人物だということも考えられます。

背景の色は「灰みの水色」。

灰色は白でも黒でもない色、白黒ハッキリついていない状況を表します。

つまり、「物事の途中」を意味します。

〈隠者〉は何かがまだ途中の段階ということです。

それが精神性を表す水色に混ざっていることから、〈隠者〉の高い精神性をもってしても、まだそれは「探求の途中」ということなのでしょう。

マントの色が表すこととは

次に、〈隠者〉が身に纏っているマントに注目してみましょう。

灰色のマントは何を象徴しているのでしょうか。

灰色は「物事の途中」を表すとお伝えしました。

灰色は、白から黒へ変化する途中の色です。

そこから、「過程」「発展途中」「中間地点」などを表しています。

まだどちらにも傾いていない状態、物事が進行していく途中の段階であることを示しています。

マントは〈隠者〉の身体を頭から足まですっぽり包んでいるように見えます。

背景の灰色みに溶け込みそうな印象を受けませんか。

「隠者」は俗世間からのがれて、修行や思索にふけっている人。よすてびと。

マントは〈隠者〉を俗世間から隔絶し、その身を隠す役割をしています。

ランプと杖が示す事柄とは

まずは右手に持っているランプです。

ランプの光はよく見ると星の形をしています。

この星は六角形の六芒星です。

ランプの光は「叡智」や「閃き」の象徴、六芒星は「神聖」の象徴であり、霊的なものから身を守るお守りの役割もあります。

このことから、〈隠者〉が人々を導く存在であることが分かります。

次に、左手に持つ長い杖を見ていきましょう。

杖は「権威」の象徴です。

「閃き」の光を湛えた「神聖」な六芒星のランプと「権威」の杖は、〈隠者〉が宇宙の全容を教え伝える指導者であることを表しています。

つまり〈隠者〉は、「賢者」なのです。

「賢者」は「宇宙のすべてを知る」人です。

ただし、ここはタロットカードの大アルカナの世界です。

〈隠者〉が「賢者」であるとしても、世間一般的な「賢者」のそれとは似て非なるものです。

〈9:隠者〉における「賢者」とはどのような存在なのか。

〈9:隠者〉における「賢者」がもつ「宇宙のすべて」に関わる知恵とは何を示すのか。

大アルカナの世界をもう少し掘り下げてみることにしましょう。

ここはどこなのか

先ほど、〈隠者〉は頂上に立っているとお伝えしましたが、〈隠者〉が立っているこの場所は、一体どこなのでしょうか。

足下に描かれた地面は、白い氷で覆われています。

よく見ると、〈隠者〉の足のサイズほどしかない、とても狭い「頂き」です。

〈隠者〉は氷山の頂上に立っているのです。

これは、〈隠者〉が「頂点」に至った状態を示しています。

では、〈隠者〉は何の「頂点」に立っているのでしょうか。

また、ここが「頂上」であるならば、ここへ到達するまでには長い時間がかかったはずです。

〈隠者〉は長い時間をかけて「精神世界」を探求してきました。

さて、この「氷山」ですが、どこかで見覚えはありませんか。

実は、この氷山はこれまで学んできた大アルカナのカードに登場していました。

〈隠者〉はその氷山の頂上に立っているのです。

〈隠者〉が向いている方向が「左」である理由とは

タロットカードにおいて、左側は「過去」、右側は「未来」を請け負います。

〈隠者〉は「過去」に向けて「叡智」の光を向けています。

このことは、これまで自分が歩いてきた道のりを照らし、振り返りをしているということを表します。

〈隠者〉人々を導くためにランプを照らし、同時に自らの足跡も照らすことで自己の内面に真実の答えを探しているのです。

〈9:隠者〉|数字からイメージを広げてみよう

「9」は一桁の数字の最後の数字ということから、「到達」「達成」を表します。

「1」から始まった物事が完結し、次のステージへ向かう状態を表します。

タロットカードの大アルカナの世界でいえば、「いったんの到達」ということになります。

「9」は「人がひとりで成功し成し得た段階」であり、ここでいったん、ひと段落段落ついて、これまで(1~8)を振り返るタイミングでもあります。

先ほど〈隠者〉はこれまで自分が歩いてきた道のりを照らし、振り返りをしているとお伝えしましたが、そのことは「9」という数字も象徴しています。

「9」は自分一人で昇り詰めた「到達点」にあると同時に、次のステージに進む準備ができている状態なのです。

さらに、「9」は「1」~「8」を内包した数字です。

「1」~「8」を内包しているということは、「9」がそれまでに様々な体験をし、そこで得た知識や知恵を蓄積しているということです。

知っているからこそ思慮深くなり、不安にもなります。

知恵があるからこそ、危機管理にも意識が向きます。

「9」のエネルギーは、「洞察」「警戒」といったように内側へ向きがちになります。

だからこそ、「真理の探究」も進むのでしょう。

さて、「1」~「8」を体験してきた「9」ですが、これを大アルカナの世界に置き換えてみると、

「1」~「8」のステップを上がってきたのは「魂」ですね。

「魂」の象徴、大アルカナの世界の主人公は〈0:愚者〉でした。

〈0:愚者〉はついに「9」まで進んできました。

ここで、先ほど確認した〈隠者〉が立っている「頂き」を思い出してください。

この「頂き」の背景には、白い山脈が描かれています。

この氷山の山脈、実は〈0:愚者〉の背景にも描かれているのです。

〈愚者〉は「1」から順番に大アルカナの世界の旅を続け、いよいよ「9」の「頂き」まで「到達」したということが分かります。


〈9:隠者〉|ここで「魂」が学ぶこととは

〈隠者〉は氷山の頂きに立ち、これまで自分が歩んできた道を振り返っています。

そしてここまでに培ってきた知恵によって自己の内面に真実の答えを探し、深い内観によって人生の真理と悟りを求めてきました。

ここでひとつ、注目しておくべきことがあります。

先ほど、〈隠者〉は「賢者」であるとお伝えしました。

「賢者」とは「宇宙のすべてを知る人」です。

ただし、ここは大アルカナの世界なので、ここでいう「宇宙のすべて」とは文字通りの宇宙のすべてということではないのです。

〈隠者〉は「賢者」ではあるけれども、世間一般的な意味の「賢者」とは違うのです。

ここでは、「1」~「8」という「これまでの体験で得た物事」によって得た学び、知恵がすべてです。

これまでに何を学び、どんな知恵を得たか。

自分が学び得てきた物事が「今」の自分を作っています。

その「今」の自分を改めて知る、「自分」という「宇宙」そのすべてを知る人、という意味の「賢者」です。

言い換えると、「自分」という「宇宙」を受け取る準備が整っている、その段階に到達しているという状態です。

これまでの歩みによって、〈隠者〉は高い精神性を身につけ、思慮深さや慎重さ、深い洞察力を得てきました。

自分を探求する能力をもち、それを受け取ることができる「賢者」に到達したのです。

ですが、灰色のマントを纏った〈隠者〉は、今も尚「深い内観」をしている最中です。

〈隠者〉は到達した「悟り」をもってさらなる「自己探求」を重ねていきます。

〈隠者〉は自己の内面に真実の答えを探し、深い内観によって人生の真理と悟りをひたむきに求め続けるのです。


「学び」は繋がっていく|〈8:力〉で得た精神力が重要な理由とは

〈9:隠者〉のステップで、「魂」は「深い内観の末に至る悟りの境地」を体験します。

「深い内観」や「悟り」といった心の鍛錬は強い精神力が必要です。

この強い精神力こそ、〈8:力〉で培った「精神力」「忍耐力」「信念」なのです。

大アルカナの世界では、一枚一枚のカードが担う「学びのステップ」はその次のステップでの「学び」に繋がっていきます。

実際、現実の世界でも同様のことがいえます。

目の前に現われた「問題」は私たちにとって「学びの種」であることがあります。

この「学びの種」に真摯に向き合い、自分なりに熟考し、時に反省し、時に過去を振り返りなどして、「問題」をクリアしていく。

そうすることで、「魂」はレベルを上げていきます。

タロットカードの世界はこのように「ひとつひとつの学びに向き合うことの大切さ」も教えてくれます。

そして大アルカナの世界では「魂」が現実の世界で学ぶであろう出来事がひととおり詰まっています。

タロットを学べば学ぶほど、タロットカードを作ったウェイト・スミスとカードのデザインを担当したパメラの偉大さを実感します。


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〈9:隠者〉|「オタクのカード」と呼ばれる理由とは

〈9:隠者〉は、通称「オタクのカード」と呼ばれます。

「何かを深く突き詰めて専門性を獲得した」というところからそんなあだ名が付いています。

深く突き詰めた「何か」とは、個人の個性に偏った高見のことです。

つまり、「個人的な強いこだわり」を極めた状態という意味合いを込めて、もちろん良い意味で「オタク」っぽい、と捉えることがあります。

自分の「好き」を極めた「物知りな人」「博学な人」といった雰囲気です。

では、このような人物の特徴や性質が「行き過ぎ」たり「欠け」たりしたらどうなるでしょうか。

〈9:隠者〉|「頑固じじい」と呼ばれる所以とは

〈9:隠者〉は「オタクのカード」というあだ名がある一方で、「頑固じじい」と呼ばれることも。

それは、たとえば「専門性を極めた」人が、周囲とのコミュニケーションを取ることができず、自分の世界に閉じ籠もってしまった状態。

たとえば山奥に専用の工房を構えた昔気質の職人さんに取材のお願いをしに出向いたけれど、「そんなチャラチャラした雑誌になんか載せるな!」と突き返されたような。

たとえばどこかの施設に一人引きこもって、長年に渡り独自の研究を続けている堅物のおじいさん。

これが〈9:隠者〉が実際のリーディングで「逆位置」で現われた状態です。

・専門性を突き詰めすぎて周りが見えなくなっている人

・非現実に入り込みすぎて自ら孤独になっている人

・専門家としての自負が強すぎて頑固になり、人の言葉に耳を傾けない偏屈

など。

真理を求め内観するのはいいけれど、度が過ぎると外の世界に無関心になり、閉鎖的な生き方をすることになってしまいということを〈9:隠者〉の逆位置は伝えてきます。


おわりに|タロットはイメージで捉えていこう

今回は〈9:隠者〉を取り上げて解説しました。

いつもお伝えするように、タロットはそのカードの意味を一生懸命覚えようとしなくても大丈夫です。

こんな風に、カードのもつ背景やストーリーを知り、自分の中でそのイメージを膨らませていく。
そしてそのカードの存在を、自分の感じた印象で定着させていく、

そうした捉え方をしていくことで、自然とカードが伝えるメッセージを受け取れるようになります。

タロットカードのリーディングが難しいと感じる人の多くは、カード自体の世界観をイメージできていないことが原因で挫折してしまいます。

タロットカードは「言葉」ではなく「イメージ」で捉えましょう。

「頭」ではなく「心」で感じていきましょう。

タロットカードの解釈に正解・不正解はありませんが、唯一「不正解」を挙げるとするならば、

カードのメッセージを直訳すること

でしょう。

つまり、教本等に載っているキーワードから当てはまる言葉を探してメッセージを読解しようとする行為です。

実際のリーディングで、スプレッド上のタロットカードが見せる世界は、その人の心の内側にある世界です。

それなのに、本で調べた言葉を並べては「真の心の声」は聞こえないでしょう。

タロットは「心」で読むものです。

ぜひ、あなた自身の心の中に、タロットカード一枚一枚の世界観を広げていってください。

📖次の記事を読む▶〈10:運命の輪 〉※ただいま執筆中!


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