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はじめに|ito therapy【タロットで自己対話】タロットカード解説
「タロットカードの意味をもっとわかりやすく知りたい」「暗記ではなく、感覚的にカードを読めるようになりたい」──そんな方のために、このシリーズでは「ito therapy」の視点からタロットカードを一枚ずつ解説していきます。
「ito therapy」では、イメージの世界を大切にしています。
カードの意味を丸暗記しようとせず、描かれたシンボルや世界観を自分なりのイメージで感じ取ってみてください。
難しく考えなくても大丈夫。
タロットは、あなたの心の内側と自然に響き合いながらメッセージを届けてくれるツールです。
ぜひ、セルフリーディングの時間にお役立てください。
📒ito therapyについてはこちらを参照:ito therapy session公式ホームページ
タロットの基礎が分かる|ito therapy 【タロットで自己対話】の記事
【タロットで自己対話①】|「私らしさ」に出会う旅のはじまり
初心者向け【タロットで自己対話②】|タロットは難しくない。自由でやさしいツールです
【タロットで自己対話③】セルフリーディングの前に|心と空間を整える5つの準備
【タロットで自己対話④】タロットカードの全体像|大アルカナと小アルカナの違いとは?
これまでの【タロットで自己対話】大アルカナ解説シリーズ
📒【大アルカナの世界】を復習する
◆〈0:愚者〉を読む
◆〈1:魔術師〉を読む
◆〈2:女教皇〉を読む
◆〈3:女帝〉を読む
◆〈4:皇帝〉を読む
◆〈5:法王〉を読む
◆〈6:恋人たち〉を読む
◆〈7:戦車〉を読む
【タロットで自己対話】のためのグッズを揃えましょう
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8:力|「私」をコントロールする
こちらは〈8:力〉のカードです。
まずはこの絵柄をじっくり眺めてみましょう。
どんな印象を受けますか。
あなたが最初に気になった部分はどこでしょうか。
8:力|イメージを広げてみましょう
あなたはこのカードからどんな印象を受けましたか。
今、あなたの胸の内にどんな感情がありますか。
〈8:力〉の世界を読み解いてみよう
さて、それでは一緒に〈力〉の世界を感じていくことにしましょう。
「力」|絵柄からイメージを広げてみよう
タロットカードには一枚一枚、意味が込められています。
その絵柄やモチーフは、それぞれのカードが持つ世界観やメッセージを「象徴」として伝えてくれています。
けれど、実際にリーディングを行うときにまず大切なのは、「第一印象」です。
並べられたカードを細かく一枚ずつ読む前に、まずは全体を眺めてみます。
ここで、「タロットカード」の性質について少しだけ触れます。
タロットは三大占術のひとつです。
三大占術とは、命術(めいじゅつ)相術(そうじゅつ)卜術(ぼくじゅつ)の3つをいいます。
タロットはこの三大占術のうち、【卜術】(ぼくじゅつ)に分類されています。
【卜術】とは、その場で「偶然」出てきた結果から意味を読み取る占いのことです。
ito therapy sessionにおけるタロットも同様に、その場に偶然そろったカードたちが、どんな物語を描いているのか、その世界全体を大事にします。
そこに出ているカード全体が醸し出す空気感や流れ、そこから感じとれる「全体像」にこそ、気づきのヒントが隠されています。
カードに描かれたモチーフや意味は、あくまでその世界観を深めるための「道しるべ」。
先に意味を覚えてから読もうとするのではなく、自分がそのカードから何を感じ取ったか、イメージを広げることが大切です。
この【タロットで自己対話】シリーズでは、大アルカナのカードを一枚ずつ取り上げ、カードの世界を丁寧に見つめてきました。
今回〈8:力〉のカードでは、そうした「感じること」「受け取ること」を意識しながら、そのプロセスをじっくり辿っていきたいと思います。
全体から感じてみよう
まずはこの絵柄をじっくり眺めてみましょう。
細かい部分をひとつずつ見つめるというよりは、全体的に捉えてみましょう。
パっと見て、このカードからどんな印象を受けますか。
気になる箇所は?
次に、最初に気になった部分を見てみましょう。
一番心に留まる部分はどこでしょうか。
その部分から、どのような感情が生まれますか。
気になる色は?
次は色です。
このカードの中で、何色が気になりますか。
その「色」からどんなことを感じますか、
その「色」にどんなイメージがありますか。
次はストーリー。
ここはどこでしょうか。
彼らは何をしているのでしょうか。
この絵から、どんな雰囲気を感じますか。
次はこのカードの登場人物を見ていきましょう。
ここに描かれているのは、白い衣装を纏った女性と、オレンジ色の獅子です。
女性は獅子の口元に両手を添えています。
彼女は何をしているのでしょうか。
「力」|タイトルからイメージを広げてみよう
このカードには『力』というタイトルがついています。
大アルカナにおいて、0~6までのカードについては描かれている人物自体の役職やその人物を示すタイトルがついていました。
しかし、「7」は人物ではなく物である〈戦車〉、「8」は人でも物でもなく〈力〉です。
〈7:戦車〉が〈戦車〉そのものにフォーカスしたカードであったように、〈8:力〉もまた『力』そのものに注目したメッセージを伝えるカードです。
では、このカードが伝える『力』とは、どのような『力』なのでしょうか。
『力』について掘り下げてみよう
『力』というエネルギーそのものがカードのタイトルになっていることから、この絵柄は『力』そのものをメッセージとして伝えているということです。
では、『力』と聞いて、このカードを眺めたとき、あなたはそこにどんな『力』が存在していると思いますか。
この女性の仕草に注目して見ると、彼女が獅子を「力づくで」押さえ込んでいるように見えるでしょうか。
もしそうであるならば、ここでいう『力』とは、”腕力”や”圧力”といった『力』ということになります。
あるいは、この女性は人外の”何かしらの力”を持っていて、その「不思議な力」「神秘の能力」を発揮して、荒ぶる獅子を手なずけているシーンに見える方もいるでしょう。
もしくは、この女性が獅子の主人であり、完全に調教された獅子をかわいがっているように見えるでしょうか。
ここで、もう一度このカード全体を見渡してみましょう。
まず、”腕力”のような「パワー」としての『力』だとしたらどうでしょうか。
女性の穏やかな表情、獅子の従順な姿勢から、両者の間に”腕力”や”圧力”といった力が働いているように見えるでしょうか。
女性はこのような「パワー」で獅子を手懐けているわけではないのです。
また、主従関係や権力といった「力」でもありません。
女性に「神秘の力」があるということを訴えているわけでもありません。
では、このカードはどんな類いの『力』を表しているのでしょうか。
「行動力」の次に必要な『力』とは
大アルカナは「魂の成長物語」です。
📒大アルカナの世界観についてはこちらの記事をご覧ください。
【タロットで自己対話】「大アルカナ」完全解説|大アルカナの世界を理解しよう
「魂」は各カードのステップごとに、カードの学びを体験しながら成長していきます。
〈7:戦車〉で「魂」が学んだこととは
〈8:力〉の前は〈7:戦車〉でしたね。
〈7:戦車〉のカードでは、揺れやすい心を内面に抱えた若い王子が、自身の高い理想に突き動かされ目標に向かって前進する姿が描かれていました。
〈7:戦車〉における「魂」の学びのテーマは、「行動力」です。
ただし、その「行動力」を発揮するためには、勢いあるスピード感の中で自分自身の心の葛藤、「理性」と「本能」を上手く操作しなければなりません。
「戦車」操縦者が定めた「理想の世界」へ向かって、まるで戦場へ向かうような意気込みで、猛スピードで進んで行く。
〈7:戦車〉では、「戦車」のもともとの性能・威力に王子自身が追いついていこうとするようにも受け取れます。
「魂」は”それでも行動していく”心意気や葛藤を学ぶのです。
大アルカナは「魂の成長物語」なので、次の〈8:力〉のカードでは〈7:戦車〉よりも一歩進んだ学びがあります。
〈8:力〉で「魂」が学ぶこととは
〈7:戦車〉の「行動力」は勢いよく突き進みます。
これは、勢いだけで一過性の可能性があります。
今は未だ、目標は成し遂げられていません。
今は未だ、自分の揺れる心と、理想の実現に翻弄されながら、自ら掲げた理想の世界を目指している過程です。
〈戦車〉は「行動力」、走らせることに対する学びでした。
ですが、ただ走らせるだけでは目標とする「理想の世界」へ到達することはできません。
走らせただけ、という一過性の「行動」では、最終目的を果たすに至らない。
〈戦車〉の「行動力」の源となる「意欲」や「意思」、そこへ向かう「エネルギー」やスピード感、勢い、これらを維持・持続することができなければ、目標達成は叶わないのです。
では、「行動力」を維持・持続させるためには何が必要でしょうか。
それこそが、「魂」が〈8:力〉で学ぶテーマです。
〈8:力〉が指す『力』とは
〈戦車〉に乗っている王子は、たとえるなら新社会人のような雰囲気です。
まだ社会経験がなく、心の成長も未熟な若い青年が、
“こんなことを実現したい”という自分なりの理想を掲げ、ヤル気と勇気をもって意欲的に上京。
ですが、「理想」と「現実」、「理性」と「本能」のバランスをとることに苦戦。
若者は心身共に経験不足なこともあり、毎日をただただこなすことに奮闘する。
〈戦車〉がスピードを落とさずに猛進していくように、「それでも毎日は進んで行く」のです。
若者が確実にもっているものは「ヤル気」と「若さ」だけです。
頼れるのは想い描く「理想の世界」のみ。
「心のバランス」はまだ未熟なのです。
〈8:力〉で「魂」が学ぶ『力』とは、「心のバランス」です。
それは、つまり『精神力』です。
女性と獅子|彼らの関係性とは
ここで、再び絵柄にフォーカスしてみましょう。
『精神力』がテーマであるこのカードに登場する彼らは何を象徴しているのでしょうか。
白い衣装の女性
ここに描かれている女性は何をしているのでしょうか。
獅子を相手に、余裕のある雰囲気が感じられますね。
女性が身に纏っている服の色は「白」。
「白」は「純真」「無垢」の象徴です。
この女性は「神聖な存在」として描かれています。
また、女性の頭上に描かれている「∞」マークは「無限」「永遠」といった意味があります。
つまりこの女性の中に「無限」「永遠」の要素があることを表しています。
オレンジ色の獅子
そんな女性と対照的に描かれているのはオレンジ色の獅子です。
獅子は「欲望」や「本能」の象徴です。
また、「オレンジ」は動的エネルギーを表しています。
つまり獅子はパワフルでアクティブな「野生の本能」そのものなのです。
両者が象徴するものとは
この両者をもって、〈8:力〉は『精神力』を象徴しています。
『精神力』とはどのような『力』のことをいうのでしょうか。
『精神的』とは、人が何かをやりとげようとするときに発揮される意志の強さや気力のことです。
人が何かを行うために必要な力を維持しようとする意志の強さをいいます。
大アルカナで言い換えれば、〈7:戦車〉で学んだ「行動力」の真の力を発揮する意思、そこに必要な心持ちを維持していく力、その強さのことです。
その『力』がこのカードに描かれている女性と獅子に現われているということです。
カードの構図に注目してみよう
人の心|潜在意識と顕在意識
ここで、「人間の心の構造」について触れていきます。
人の心の中を2つに分けると、「顕在意識」と「潜在意識」に分類されます。
顕在意識とは、いわゆる「意識」のことです。
潜在意識とは、いわゆる「無意識」のことです。
顕在意識=意識は、文字通り「意識している感情」です。
私たちが普段生活しているときに「意識」としてある心です。
一方、潜在意識=無意識は、文字通り意識していない意識のことです。
意識していない意識とは、自分自身でも知らない、気づいていない自分の感情のこと。
普段は意識の底にあるので、気づかないのですが、実はこの無意識こそが私たちの「真の想い」であるといわれています。
ふとした折に、潜在意識=「真の想い」は、突如出てきたりします。
潜在意識=無意識は、自分の意思(意識)ではコントロールできない感情、感覚です。
意識は無意識をコントロールできないのですが、無意識は意識をコントロールします。
むしろ、私たちは日頃「無意識によってコントロールされている」のです。
あなたは日頃、「無意識でやってしまった」とか、「無意識のうちにこうなった」など、自分ではこうするつもりはなかったのにいつの間にかそうなっていた、というような体験はありませんか。
意識は、自分の意思で行動しているように見えて、その実無意識に操られているとも言えるのです。
〈8:力〉が見せる心の構図
タロットカードにおいて、カードの上半分に描かれているのは「顕在するもの」、下半分に描かれているのは「潜在するもの」というルールがあります。
〈8:力〉では「顕在意識」の象徴として女性が、「潜在意識」の象徴として獅子が描かれています。
白い衣装の女性=顕在意識が、オレンジ色の獅子=潜在意識をコントロールしている様子を描いているのです。
これが、『精神力』ですよ、ということです。
先ほどお伝えしたように、本来ならば”実は”潜在意識にコントロールされている顕在意識ですが、ここではあえて、顕在意識が潜在意識をコントロールしている。
獅子は「欲望」や「本能」の象徴でしたね。
パワフルでアクティブな野生の本能そのものである獅子を、女性は穏やかな表情で抑えています。
「人の心」に潜在的に存在する「欲望」や「本能」といった野性的な欲求を、顕在意識が手なずけている、抑制しているシーンが〈8:力〉です。
ここに働いている『力』が『精神力』です。
『精神力』は『忍耐力』や『根気強さ』、『信念』、『意思』とも言い換えることができます。
そういった自分の中の「欲求」を自分自身の力=精神力で制御コントロールすること。
それを描いているのが〈8:力〉なのです。
心の鍛錬はまだ途中
〈8:力〉は強い『精神力』をもって、自分自身の潜在的な欲求や本能を制御している、「心の鍛錬」を描いています。
その「心の鍛錬」がこのカードのステージで「魂」が学ぶテーマです。
つまり、まだ学びの途中です。
『精神力』はまだ習得していません。
それは、このカードに描かれたモチーフからも読み取ることができます。
背景に聳える山
背景の左側に水色の山が描かれています。
「山」は「目的地」の象徴。「水色」は「精神性」や「心の揺れ」などを表します。
ここに描かれている山は先端がとがっていて、標高が高そうに見えますね。
それに、傾斜が急で昇るのが大変そうに見えます。
この「山」が遠くに小さく描かれていることから、〈8:力〉のテーマである『精神力』を鍛える「心の鍛錬」の習得(目的地)はまだ遠く、長い道のりを歩む過程で持続的に『忍耐力』や『精神力』を身につけていく必要があるということです。
そして、標高が高く急斜面であることから、この山を登る途中では困難や問題があり、それらを克服したり、何かを成し遂げたりといった経験を重ねるということが想像できます。
そんな経験の中では常に「本能」や「欲望」をコントロールしながら「理性的」に対処していく必要があります。
このような「心の鍛錬」は終わりが見えません。
だからこそ、『精神力』『忍耐力』が必要なのです。
それは「永遠」に持続し続ける『力』でもあります。
女性の頭上に浮かぶ「∞」マーク
〈7:戦車〉では、ともすれば「必死さ」が見え隠れする「目的地への猛進」でした。
次の〈8:力〉では自分の内側から溢れるエネルギーに理性的に向き合い、強い精神力で感情をコントロールしながら成功という目的地を目指します。
そして、そのように努力し続ける力は、「無限」であるということを「∞」のマークが語っています。
ここで、『精神力』『忍耐力』を維持するためには「努力」が必要であるということが出てきました。
〈8:力〉のカードが実際のリーディングに出ると、「努力をしている人」といった意味合いで捉えることがあります。
潜在意識=「自分の本当の想い」を「我慢」して、自分のこと以外の物事に尽力する人。
そんなイメージもこのカードは伝えています。
「私らしく」あるために必要なものとは
〈8:力〉が目指す『強い精神力』で「欲望をコントロール」するために必要な感情は何でしょうか。
たとえば大きな困難にぶつかったとき、本能的に逃げ出したくなったとき、その困難に立ち向かうには「勇気」が必要です。
あるいは、何か重大なプロジェクトを成し遂げようとするとき、けれどプレッシャーに負けそうになったときは「自信」が必要です。
時間をかけて取り組まなければならないことがあったなら、ブレずにそのことに打ち込み続ける、頑張る気持ちが必要です。
その一方で、もし『強い精神力』が保てなくなったらどうなってしまうでしょうか。
・大きな困難の前で自分をコントロールできず自信喪失。
・自分以外の他の誰かに頼るだけで依存
・自分を信じることができずに自己不信に陥る。
あるいは『強い精神力』の度が過ぎてしまったら。
「自分」というものを押さえつけすぎて、「本来の自分らしさ」が消えてしまうかもしれません。
自分自身の心を「自分らしく」コントロールするには、程よいバランス感覚が必要です。
そのバランス感覚を身につけるということ、それ自体が、『強い精神力』を養うということなのでしょう。
「真の精神力」とは、ただ我慢する、がんばる、やり続ける、それだけで達成されることではないのでしょう。
そんな単純なことではなく、重要なのは根底に「自分らしくあるかどうか」、「自分らしさ」を保つことができているか。
「自分らしく」あってこそ、「心の鍛錬」は成し遂げられていくのです。
〈8:力〉が伝える真のメッセージとは
実際のタロットリーディングにおいて、〈8:力〉は「自分らしさ」について訴えている場合がよくあります。
頑張りすぎていないか、我慢しすぎていないか、精神と身体のバランスが崩れていないかなど、
「今のあなたは自分らしく生きていますか」
といった大きな問いを投げかけてくるのです。
ito therapy sessionでは、本人が「より自分らしく」生きていくことを最重要ポイントとしています。
そして、タロットカードの中にはそんな「わたしらしさ」を象徴するカードがいくつかあり、この〈8:力〉のカードはその中の一枚です。
「わたしらしさ」をメッセージとするカードの内、〈8:力〉は本人の『精神力』において「自分らしさ」を保てているか、といった意味合いで訴えてきます。
では、この『精神力』が上手く発揮できていないとしたら、それはどんな状況でしょうか。
そのとき本人の「心」はどんな状態でしょうか。
〈8:力〉が「逆位置」で伝えるメッセージとは
タロットカードが「逆位置」で出るときは、そのカードがもつ基本的な意味合いが
「行き過ぎている」「本来の要素を発揮できていない」「時間の経過が遅い」といった雰囲気で捉えていきます。
〈8:力〉がもつ「私らしさ」の上に成り立つ『精神力』『忍耐力』を、カードが「逆位置」で伝えてくるということは、
・誰かのために尽くしすぎていないか
・「自分」がおろそかになっていないか
・自分で自分を追い詰めていないか
・心が疲れすぎてはいないか。
・自分を見失ってはいないか。
といったような意味合いが込められています。
〈8:力〉に登場するこの女性のように、穏やかな表情で凶暴な獅子を優しく手懐ける余裕があるということは、つまり「高い精神力」があるということです。
そんな「高い精神力」をもって自分自身をコントロールできていたら、本来の自分らしさを保ったまま、心身共に健全でいられるでしょう。
そんな状況を黄色い背景は祝福しています。
この状況だからこそ、祝福の黄色なのです。
ですが、これが「逆位置」で出るということは、「本来祝福されるべき状況」が何かしらの理由でバランスが崩れているということです。
それはなぜなのか。
どこにその原因があるのか。
そういった部分にフォーカスし、他のカードとの兼ね合いも含めてリーディングしていきます。
「8」という数字がもつエネルギーとは
「8」は「∞」のマークに似ていますね。
「8」には「持久力」や「忍耐力」の数字です。
何かを始めたら時間を忘れてやり続けるとか、寝食を忘れて没頭するとか、そんなイメージの数字です。
だからこそ、このカードが表す人間の「精神力」は無限大であり、その鍛錬には終わりがないということなのでしょう。
終わりがないということは”鍛錬し続けるに値する高見を目指すべきもの”であると同時に、一歩間違えれば”果てしなく落ちていく危険”も併せ持つ、そんな危うい性質があります。
上へ上へと高見を目指していたはずが、実は一番重要で土台となる「自分」を失っていっている可能性もある。
それが「心」のバランスの難しいところです。
「無限」の世界で「高い精神力」を培うことは、常に危険と背中合わせなのかもしれません。
おわりに|タロットはイメージで捉えていこう
今回は〈8:力〉を取り上げて解説しました。
いつもお伝えしますが、タロットはそのカードの意味を一生懸命覚えようとしなくても大丈夫です。
こんな風に、カードのもつ背景やストーリーを知り、自分の中でそのイメージを膨らませていく。
そしてそのカードの存在を、自分の感じた印象で定着させていく、
そうした捉え方をしていくことで、自然とカードが伝えるメッセージを受け取れるようになります。
タロットカードのリーディングが難しいと感じる人の多くは、カード自体の世界観をイメージできていないことが原因で挫折してしまいます。
タロットカードは「言葉」ではなく「イメージ」で捉えましょう。
「頭」ではなく「心」で感じていきましょう。
タロットカードの解釈に正解・不正解はありませんが、唯一「不正解」を挙げるとするならば、
カードのメッセージを直訳すること
でしょう。
つまり、教本等に載っているキーワードから当てはまる言葉を探してメッセージを読解しようとする行為です。
ここにはリーディングをする人の心が介在していませんね。
実際のリーディングで、スプレッド上のタロットカードが見せる世界は、その人の心の内側にある世界です。
それなのに、本で調べた言葉を並べては「真の心の声」は聞こえないでしょう。
タロットは「心」で読むものです。
ぜひ、あなた自身の心の中に、タロットカード一枚一枚の世界観を広げていってください。
📖次の記事を読む▶〈9:隠者 〉
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