【タロットで自己対話】「大アルカナ」完全解説|〈15:悪魔〉現状への警告

【タロットで自己対話】タロットカード解説〈大アルカナ編〉

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はじめに|ito therapy【タロットで自己対話】タロットカード解説

「タロットカードの意味をもっとわかりやすく知りたい」「暗記ではなく、感覚的にカードを読めるようになりたい」──そんな方のために、このシリーズでは「ito therapy」の視点からタロットカードを一枚ずつ解説していきます。
「ito therapy」では、イメージの世界を大切にしています。
カードの意味を丸暗記しようとせず、描かれたシンボルや世界観を自分なりのイメージで感じ取ってみてください。
難しく考えなくても大丈夫。
タロットは、あなたの心の内側と自然に響き合いながらメッセージを届けてくれるツールです。
ぜひ、セルフリーディングの時間にお役立てください。

これまでの〈大アルカナ〉カード解説記事『目次』はこちらから🔜📖


いよいよ物語は『宇宙規模』へ

〈10:運命の輪〉で人生の流れに大きな転換が訪れ、
〈11:正義〉では、その転機をどう捉え、どう選び取っていくかが問われました。

そしてここから先、タロットの旅路は、いよいよ“個”の意識を超え、より深い魂の学びへと入っていきます。

〈12:吊された男〉から、今回ご紹介する〈15:悪魔〉にかけては、
目には見えない領域──精神性、潜在意識、集合無意識とのつながりを学ぶ時間です。

自らを差し出して得る気づき、喪失の中にある再生の兆し、バランスを保とうとする自己の姿、
そして、「人間」の本能との対峙。

どれも表面的には捉えづらいテーマばかりですが、だからこそ、イメージを通じて「感じる」ことがとても大切です。

今回は〈15:悪魔〉です。

欲望と対峙するとき、私たちは初めて「本当の自由」について問い始めるのかもしれません。


15:悪魔|イメージを広げてみましょう

まずはこのカードをじっくり眺めてみましょう。

このカードから、あなたはどんな印象を受けますか。

ここに描かれているのは、どんなシーンなのでしょうか。

このカードの中ではどんな物語が流れていそうですか。

ここはどんな場所でしょうか。

あなたがこのカードの世界へ入ったとしたら、そこであなたはどんなことを感じるでしょうか。


〈15:悪魔〉|タイトルからカードのイメージを広げてみよう

カード全体の世界感をじっくり体感したら、次は「悪魔」というカードのタイトルや絵柄、数字をヒントに、〈15:悪魔〉を探求していきましょう。

「悪魔」とは何か

このカードのタイトルは「悪魔」です。

「悪魔」という言葉から、あなたはどんなことを連想しますか。

どんな世界を想い描きますか。

「悪魔」といえば、「悪者」「人間に危害を加えるもの」「異世界の魔物」といった印象でしょうか。

それでは、タロットカードにおける〈悪魔〉とは、いったいどのような存在なのでしょうか。

中央に大きく描かれている生き物が〈悪魔〉です。

この生き物の頭上には、よく見ると「逆五芒星」が描かれています。

「逆五芒星」は、〈悪魔〉の象徴です。

☆五芒星は「人間」を表します。
🔜四大元素の記事内「地」参照

・五芒星=人間

・逆五芒星=人ではない者

ということで、〈悪魔〉は「人ではない者」です。

人間社会において、「人ではない者」は「悪」という存在になります。

ですが、この「悪」という存在は、実は「人間」から生み出されたものです。

「悪」というものを具現化したものが「悪魔」です。

つまり、「悪魔」は人間が創り出した「悪」の象徴なのです。

では、「人でなし」とされる「悪」とは、どのようなものでしょうか。


〈15:悪魔〉|絵柄からカードのイメージを広げてみよう

悪魔の前には、二人の「人間」が立っています。

けれどこの二人、よく見ると頭に角が生え、尾尻が生えています。

そして、首に掛けられた鎖は悪魔の座る台座に繋がっています。

この三人(三体)の状況から、どんな雰囲気をイメージしますか。

〈悪魔〉と、悪魔のような角が生えた男女。

「3」という数字は、「コミュニケーション」や「関係性」が生まれる数字です。

彼らはどのような関係性なのでしょうか。

男女は〈悪魔〉と鎖で繋がれています。

この二人は、もしかしたら少しずつ悪魔になりつつあるのかもしれません。

今まさに、自らも「悪魔」に変化しつつある、彼らの心情を想像してみましょう。

彼らは今、どんな気持ちでいるのでしょうか。

また、〈悪魔〉はこの二人に対してどのような感情を抱いているのでしょうか。

彼らを完全な「悪魔」に変えて、仲間に加えようとしているのでしょうか。

それとも、食べてしまおうとしているのでしょうか。

〈悪魔〉の心情を想像してみましょう。

悪魔と、悪魔になりつつある人間の男女二人、それぞれの関係性。

各々、何を考え、これからどこへ向かっていこうとしているのでしょうか。


〈15:悪魔〉|色からカードのイメージを広げてみよう

「黒」の世界が創り出すもの

続いて、このカードの背景に注目してみましょう。

背景の「黒」という色から、何を連想するでしょうか。

たとえば、「黒」は「暗闇」の色ですね。

「暗闇」はそこから先が見えない状態です。

つまり、「行き止まり」とか、「限界」を思わせます。

あるいは、「黒」は何かを隠す「影」の色でもあります。

「影」は「隠し事」や「秘密」といった雰囲気がありますね。

さらに、「黒」はどんな色でも、上から黒で塗ってしまえば、その場はすべて真っ黒になります。

「黒」はどんな色でも黒に塗り変えてしまう強い色です。

そして、「黒」を別の色に変えることはほぼ不可能。

どんな色でも「黒」にしてしまう、そんな強さは「危うさ」と「警告」といった危機感も感じられます。

「黒」を他の色に変えることは難しい、ということも、「行き詰まり感」が漂います。

「黒」からイメージを広げてみよう

タロットカードにおいて、背景の色はそのカードの「状況」を表します。

〈15:悪魔〉の世界が黒い背景で表されているということは、

・「行き止まり」「行き詰まり」という状況にある

・何らかの「警告」を訴えている

・既に「限界」を迎えている

といったことが想像できます。

では、〈15:悪魔〉は

・どんな「限界」を迎えているのか

・何を警告しているのか

これらについて掘り下げてみましょう。


「黒」が表す「限界」と「警告」とは

このカードが迎えた「限界」とは、何のことを指しているのでしょうか。

「黒」の背景は、「この状況」が「既に限界を迎えている」ことを伝えています。

では、「この状況」とはどんな状況でしょうか。

ここに描かれているのは、〈悪魔〉が座っている台座に、二人の男女が繋がれている状況ですね。

彼らは〈悪魔〉と繋がっている鎖に首を繋がれて、この場に留まっています。

つまり、この男女が「ここ」に「留まっている」ということが、既に限界を迎えているということです。

また、「黒」の背景が訴える「警告」とは、

「ここ」に「留まっている」ことに対する警告です。

「黒」が表す「限界」と「警告」の理由

男女が「ここ」に留まっていることに対して、

それがなぜ「限界」であり、「警告」なのでしょうか。

「この状況」を整理しよう

確かに、「悪魔」と一緒にいたら身の危険を感じますね。

襲われてケガを負うかもしれないし、食べられてしまうかもしれない。

その恐怖や不安はありそうです。

ただ、この男女はどうでしょうか。

ここに、悪魔の近くにいることに対して、そんな不安や恐怖を抱いているように見えますか。

さらに、自分たちが「悪魔」に変化しつつある状況に、危機を感じているように見えるでしょうか。

よく見ると、彼らの首に掛けられた鎖は、とても緩く巻かれています。

自力で外そうと思えば、たやすく外すことができそうです。

けれどこの二人は、そうすることなくここに留まっています

この状況から、どうやら〈悪魔〉はこの二人を拘束しているわけではなさそうですね。

〈悪魔〉は、いつでも二人が自由にどこかへ行けるようにしているのです。

それにもかかわらず、二人はここ留まっています

なぜ男女は「ここに留まっている」のか

彼らが悪魔から逃げることなくここにいる理由は何でしょうか。

ひとつは、「悪魔の誘惑」に負けていることが挙げられます。

恐らく、〈悪魔〉は彼らを「言いくるめて」ここに留めているのでしょう。

ただし、強制はしていません。

鎖を外そうと思えば外せる状態にしています。

それにもかかわらず、彼らはここにいる。

実は、彼らは「ここから逃げることができる」ということに気づいていないのです。

しかも、自らが悪魔に変化しつつあることにも気づいていません。

つまり、ここから逃げること以前に、「悪魔化」している自分の状況にも無自覚ということです。

これは相当な「危機」だと思いませんか。

彼らはむしろ、この状況に身を委ねています。

ここから逃げ出すという発想もなく、表情もうつろなまま、ただそこにいる。

この状態が、まさに「限界」を迎えているのです。

そして、「黒」の背景が訴える「警告」とは、

・今ここにある危機に気づかないこと

・理性や自制心を失っている=本能しかないこと

・悪魔に依存していること

に対する警告です。

〈15:悪魔〉は、このように「本能の赴くまま」行動していると、取り返しが付かなくなるということを伝えているのです。

「悪」とは何か

〈15:悪魔〉取り扱われている「悪」とは、

人間の本能や欲望そのものです。

けれど、本能は、欲望は、本当に「悪」なのでしょうか。

人間には「本能」があり、また「欲望」を抱く生き物です。

「本能」や「欲望」は、ありのまま、「人間らしさ」ともいえます。

けれど人間は、「人間らしさ」の一部である「本能」や「欲望」を「悪」とし、その象徴として「悪魔」を創り出しました。

そして「悪」を排除しようとしてきました。

でも、「悪」は排除のしようがありません。

なぜならば、「悪」を創り出した人間の中には、もともと「悪魔」がいるからです。

「悪」を排除することが重要なのではなく、

自分の中にも「本能」や「欲望」に負ける自分が存在すること、それを自覚することが大切なのです。

「本能や欲望がある人間」である自分と向き合うこと

これも〈15:悪魔〉が担うメッセージです。

「本能」や「欲望」を”=悪”として排除するのでなく、それらをコントロールし、上手く付き合っていくこと。

それを学ぶ機会が〈15:悪魔〉のステージです。


〈15:悪魔〉|数字からイメージを広げてみよう

ここでは「15」という数字にも触れていきましょう。

「15」は「1」と「5」から成る数字ですね。

「1」は、物事の始まり、スタートの数字でしたね。

「5」は「五芒星」が表す「人間」そのものの数字であり、「変化」「自由」「冒険」といった意味合いがあります。

これら「1」と「5」の数字だけ見ると、変化を起こしながらどんどん前へ進んで行くような、わくわくする冒険の世界が繰り広げられて行くような、そんな雰囲気を感じますね。

ただ、〈15:悪魔〉では「逆五芒星」が描かれています。

「変化」「自由」「冒険」を象徴する「5」の「五芒星」が逆向きに描かれた「逆五芒星」は、

「何も起こらない」「何も起こさない」といった状況を表しています。

また、「5」は「肉体」の象徴であると同時に、「五感」の数字でもあります。

人間の「視覚」「聴覚」「嗅覚」「味覚」「触覚」という5つの感覚を表す数字です。

これらのことから、「逆五芒星」は、「何も起こさず」、「どこへも行かず」、「肉体」や「五感」に執着した状態を表しているともいえます。

そんな「逆五芒星」を掲げている〈悪魔〉になりかけている男女の心は「停滞」し、「自由」を忘れ、「この場に依存」しているのでしょう。

〈15:悪魔〉に描かれているのは、「変化」を忘れ、「ここに留まり」、「本能」や「欲望」に執着した状況が「ただそこにある」、そしてその状況が危機であるということにも気づかない、そんな危うい世界です。


実際のリーディング|「私らしさ」を取り戻すとき

たとえば実際のタロットリーディングでこのカードが展開されたとき、

その人自身が「自分らしさ」を見失っているというメッセージであることがあります。

本当はそこに居たくないのに居続けているとき、本人はそこに居たくないということに気づいていないとき、このカードはそれを警告してくれます。

本当は居たくない場所、相手に合わせ続けている関係性、変えたい気持ちを抑えて現状維持で見て見ぬ振りをしているなど、

「自覚の無いまま」本来の「自分らしさ」が発揮されていない状況で放置しているなら、

このカードの男女のように「自ら動き出すことなく自分を見失っていく」状態だといえます。

たとえば、

「ここにいるのは嫌だけど、こういう理由があるから今はまだここにいる」場合は、

「嫌」という「感情」を自覚した上で、何かしらの理由があってそこに留まることにしていますが、

「嫌」という感情に気づかないまま、あるいは「ここにいるのは嫌だ」という感情をおろそかにして、何も感じないままそこにいるのとでは、

まったく状況が異なります。

重要なのは、「自分の感情がそこにあるかどうか」です。

〈15:悪魔〉が展開されると、「怖い」「不幸」「良くない出来事」といったその場の感情に囚われがちです。

けれど、このカードが大アルカナである以上、この「警告」にはより深い重要なメッセージが込められているということを忘れないようにしましょう。

そして、タロットカードが〈15:悪魔〉で伝えているということを真摯に受け止めましょう。

このカードの「警告」は、無自覚に「その状況」に甘んじているばっかりに、実はとんでもない事態になる、というものです。

まさに、タロットのもつ「自分では気がつかない部分の可視化」という本領が発揮されるカードです。

〈15:悪魔〉が出たなら、せっかくの「警告」を無視せず、現状を改めて見直すことが大切です。

そして、「本当の自分」が望むことに対して素直に向き合い、誠実に探求していきましょう。


〈15:悪魔〉での学びとは

〈14:節制〉では、これまで身につけてきたことを活かして成功へ進むということを学びました。

そして、〈15:悪魔〉ではその「応用力」をもって、「本能」や「欲望」をうまくコントロールすることを学びます。

「本能」や「欲望」のまま、〈悪魔〉的な存在に依存しているのでなく、

そんな現状に気づき、「留まらずに先へ進む」。

それが〈15:悪魔〉での最終的な目標です。

もし、〈15:悪魔〉でその目標から目を背け、「そこ」に留まり続けたらどうなるでしょうか。

タロットが「大アルカナ」で伝えてくることの意義とは

ここで、「大アルカナの世界感」について触れてみましょう。

「大アルカナ」は「魂」の学びの物語です。

以前にもお伝えしたように、「大アルカナ」が伝えるメッセージはスケールが大きいのです。

「大アルカナ」は「魂」が学ぶ機会を得るためのメッセージなので、

カードが伝えることはその人の人生に大きく関わってきます

〈15:悪魔〉が伝えるメッセージも、もちろん

その人の人生を左右するほどの気づきに繋がるものです。

・このままでいいんですか?

・このままだと自分らしさを見失ったままですよ

という「本来の自分を再確認する」ための「警告」であったり、

・そこから抜け出せずにいますよ

・依存していますよ。

・執着でしかないようですよ

といった、「本能が優先されて流されている」ことを「警告」するものだったり。

しかし、タロットが「大アルカナ」をもって

その人の人生にとって重要な必要な警告を伝えたのに、

これを真摯に受け止めることなく、そこから一歩抜け出るという気持ちを持たなかった場合には、

今度は「強制的に」すべてを覆す大きなエネルギーが降りかかることになるでしょう。

これは一見、恐ろしいことだと感じるかもしれませんが、「魂」の成長のために必要なことだから起こる事象です。

〈15:悪魔〉の「警告」の先には、〈16:塔〉の「浄化」が待っています。

「警告」を真摯に受け止め、自分を見直し、「本来の自分らしさ」を改める心があれば、

この「浄化」にうまく乗っていけるでしょう。

しかし、「警告」をないがしろにした場合、次に来るのは

人間の力が及ばない神的な角度からくる天災のような「転機」です。

「魂の成長物語」は、その1ステップ、1ステップがとても大切であり、必要充分な体験です。

どの段階においても、目の前の課題はひとつずつ着実に経験として学び、積み上げていくことが重要です。

その積み重ねがあってこそ、次の学びの深さに繋がっていくのです。


おわりに

いかがでしたか。

〈15:悪魔〉の世界観を深めることができたでしょうか。

この記事はあくまでも「ito therapy session」の視点から解説したものです。

次はぜひ、ご自身なりの〈15:悪魔〉の世界を探求してみてください。

 


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